マダム・シャポーベルデは一人黙々とスモール・ソーサー后のために瓦版用の言葉を整理しておりました。机に向かい文字を書いては声に出しているうちに何だかおかしな感覚に襲われました。
「ご挨拶・ご挨拶・ご挨拶
こんな字だったかしら?これは字なのかしら?」
「ご挨拶…したのでしょうか?してないのでしょうか?してない?してないにちがいありません?してないと思われます…?」
「ごあいさつ…ごりゃいしゃつ…ごりらしゃつ…こわいしゃつ…こわいやつ…これやっつ…こりゃあっつ…?
なんというのでしょうか?ああ、ご挨拶でした。
ご・ご・ご…ごさいあつ…あごいつさ…ごいさつい…ついごいご…ああ、わからなくなってきたのでしょうか。わからなくなったに違いありません…ううっ」
「笑わない?笑った?わら…わわらたらた…ああっ」
「きちんとした躾?着付け?見附?つけ…つけ…なにをつけるの…ああっ、わからないっ」
シャポーベルデ、現在崩壊真っ最中です。
※ゲシュタルト老害…絶対的と思う人物を見つめ続けると価値観が狂い、おなじことを繰り返し言うなどし、最終的にはすべてに混乱が広がっていく現象
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