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中原中也を真似て「つみびとの歌」 あの長男に 月兎 |
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わが生は、下手な大人らに
あまりに雑に、手を掛けられた悲しさよ!
以来わが身の振り方は
ぼんやり立って、背を押され、焦りあわあわ。
おちつくでもなく、あせるでもなく
つねに外界を眺めんとする。
その姿は虚ろで
その眼は療育ママを見る。
かくてこのあはれなる身は
粗雑な世界を、父と母とに、
心を消され、野望のおもひに沈み、
伏在にして、とぎれとぎれに虫の話題をもち、
牛にむかつてはウサギと言ひ、躊躇ひがちに、かくて
おめでとうと、愚答のかぎりを仕出来してしまふ。
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